赤外線サーモグラフィとは
「赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換し、その分布を画像表示する方法」
簡単に言うと「表面の温度を画像にする方法」です。
温度を測る方法のひとつと言えますが、その特徴からさまざまな応用ができます。
特徴
面で測定(2次元画像)
サーモグラフィと似たものに「放射温度計」がありますが、放射温度計が「点」で測定するのに対して、サーモグラフィは「面」で測定できます。
「面」でとらえることで、どの部分が熱いのか、温度の変化をとらえやすくなります。
非接触
測るものに接触させる必要がないので、危険なもの(電気の流れている部分、回転しているものなど)の測定や、食品など衛生面で接触が好ましくないものの測定が可能であり、設備を動かしながらの検査も可能となります。
大きさの制約を受けにくい
カメラと同じように測りたいものを画面内に収めることができれば測定ができるため、測定物との距離を調節して対応することができます。ただし必要とされる精度に応じて限界はあります。
安全性は?
赤外線サーモグラフィでの測定そのものはレントゲン撮影のように、測りたいものへ何かを当てたりするものではなく、測りたいものから出ているもの(赤外線)を機械が受け取るだけなので、測りたいものや人体などへの影響はありません。
原理
世の中の物体はすべて熱をもっており、その温度に応じた放射エネルギー(電磁波)を出しています。
これはどんなに冷たいものでも絶対零度(-273℃)を基準に考えると熱があり、相応のエネルギーが出ています。
赤外線サーモグラフィ装置はこの放射エネルギーを検出して画像化します。
赤外線について
「赤外線」と聞いてイメージされるものは何でしょう?
TVのリモコン、ケータイの赤外線通信、こたつ、ヒーターなどなど
通信に使うもの、暖めるもの
まず赤外線は目に見えない光と言われることもありますが、目に見える光(可視光)も赤外線もTV放送の電波も電子レンジで使われるマイクロ波もX線も、もっと大きなくくりで言えばすべて「電磁波」の一種です。
そしてそれぞれの違いは「波長」の違いです。
目に見える光の端っこの「赤」のすぐ隣(0.7μm~1mm)が「赤外線」といわれるものの「領域」です。